陶芸#13/陶芸の象嵌

赤土を用いて象嵌で器を作った。

さて、陶芸における**象嵌(ぞうがん)**とは、
器の素地(まだ焼いていない土)を彫り、そこに別の色土や化粧土を埋め込んで文様を表す装飾技法です。
線や模様が“はめ込まれている”ように見えるのが特徴で、焼成後も模様が摩耗しにくい技法です。


象嵌の基本構造

  1. **素地を半乾き(革のような硬さ)**にする
  2. 文様を彫る(線・面)
  3. 色土・化粧土を埋める
  4. 余分を削り取り、模様を際立たせる
  5. 施釉・焼成

→ 文様は器の表面と一体化している


主な象嵌の種類

① 線象嵌

  • 細い線を彫り、そこに色土を詰める
  • 草花・幾何学模様・文字に向く
    ▶ 繊細でシャープな表現

② 面象嵌

  • 広い面積を彫り込んで埋める
  • 魚・花・紋様など
    ▶ 強いコントラストと装飾性

③ 掻き落とし象嵌(白黒象嵌)

  • 黒土に白化粧土を掛け、模様部分を掻き落とす
  • 広義では象嵌の一種として扱われることも
    ▶ 韓国李朝や民藝系に多い

※ 厳密には「埋める」工程がないため、
象嵌とは別技法とする考えもあります。


象嵌に使われる材料

  • 色土(白土・赤土・黒土など)
  • 化粧土(泥状にした土)
  • 金属酸化物(酸化鉄・コバルトなど)を混ぜて発色調整

象嵌の魅力

  • 文様が削れにくく実用性が高い
  • 線がくっきり出る
  • 釉薬を掛けても模様が失われにくい
  • 素地と文様が一体化する安心感

注意点・失敗しやすい点

  • 素地と色土の収縮率が近いことが重要
    → 違いすぎると剥離・ヒビの原因
  • 埋めるタイミングが早すぎると滲む
  • 遅すぎると密着しない
  • 削りすぎると文様が薄くなる

日本・海外の代表例

  • 高麗青磁象嵌(韓国)
  • 三島手(みしまで):日本で発展した象嵌技法
  • 益子・小鹿田など民藝陶の象嵌装飾

掛け分けとの違い(簡単比較)

技法装飾の位置特徴
象嵌素地そのもの削れにくい、線が明瞭
掛け分け釉薬表面釉調の変化、偶然性

まとめ

  • 象嵌=彫って埋める装飾技法
  • 素地と一体化した文様が特徴
  • 実用性と装飾性を兼ね備える

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